ディップスという筋トレ種目は、上腕三頭筋や大胸筋などを鍛えられる他、やり方次第で背中の筋肉なども一緒に鍛えることができます。
動き自体はシンプルですが、ちょっとした動きの違いで効く部位が変わるため、目的に合わせて適切なやり方・フォーム設定が重要。
重量設定によっては「筋肉をつける」こともできますし「引き締める」ことも可能です。
この記事では、
- ディップスで鍛えられる筋肉
- ディップスの効果
- ディップスのやり方・フォーム
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
さまざまなバリエーションをご紹介するので、ぜひ参考に実践してみてくださいね。
今回の記事の内容
ディップスで鍛えられる筋肉
ディップスで鍛えられる主な筋肉は、以下の通りです。
- 大胸筋
- 広背筋
- 三角筋
- 上腕三頭筋
など。
これらの筋肉は、ディップスをやると鍛えられますが、肩や腕の微妙な位置の変化によって効く部位が変わってきます。
この辺りを知ってもらうと、より目的に応じたフォームでディップスができるようになります。
ディップスの効果
ディップスの効果はさまざまありますが、主な効果は以下の通り。
- 大胸筋や上腕三頭筋の筋肉を太くできる
- 脇周辺や二の腕のたるみを引き締められる
- 上半身全体の筋肉を鍛えられる
などで、それぞれ解説します。
大胸筋や上腕三頭筋の筋肉を太くできる
胸の厚みや腕を太くしたい男性の場合、ディップスは非常に効果的な筋トレ方法の1つ。
ここでぜひ知っておいてほしいことが、ディップスで大胸筋を鍛えるときの肩や腕の位置についてです。
人間の肩は、上方から見ると前方に約35度の位置についているのが自然なんですね。
この位置で胸と背中の緊張のバランスが均一になっています。
前方35度の位置を基準に、少し前側の位置に肩や腕を持っていくとより大胸筋に効かせることができます。
大胸筋をメインで鍛えたい方は肩の位置を少し前側に設定してディップスを行う。そうすると、より大胸筋を肥大させられます。
詳しくはやり方のところでご紹介しますね。
脇周辺や二の腕のたるみを引き締められる
また、少し軽めの負荷でディップスを行うことで、
- バスト
- 背中
- 脇周辺
- 二の腕
など、肩周辺のたるみを引き締めることができます。
また、その他にも腰回りのたるみもスッキリ引き締めることができるため、女性にも嬉しい効果が期待できますね。
この辺りの部位のたるみで悩んでいる方は、別の記事でも詳しく引き締め方法を解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
では、こういった効果を実感するためにはどうやってディップスを行えばいいのでしょうか?
【筋トレ】ディップスの5種類のやり方・フォームを解説
今回は、5種類のディップスのやり方をご紹介します。
- バックディップス
- フロントディップス
- 器具を使ってのディップス
- 立った状態でディップス
- 反動ディップス
それぞれご紹介します。
①バックディップス
このディップスは、椅子を使って行っていきます。
メインで鍛えられる筋肉は、
- 広背筋
- 上腕三頭筋
などの筋肉です。
手順
- 椅子に座った状態で、膝を90度に設定する
- 骨盤横に手を置き、椅子からお尻を浮かせる
- 軽く脇を締めた状態で、椅子に沿うように真下に下がる
- 手の力で身体を持ち上げるように押し上げる
- この上下運動を繰り返す
※脚を伸ばした状態で行えば強度が高まるので、強度を高めて行いたい方は、脚を伸ばしたまま行ってみてください。
②フロントディップス
続いては、身体の前側に肩や腕を設定して行うディップスです。
このディップスでメインで鍛えられる筋肉は、
- 大胸筋
- 三角筋前部
- 上腕三頭筋
など。
手順
- 椅子の前に座り、手を肩幅に開いて椅子に置く
- 軽く手を内側に向けて身体を少し丸める
- 椅子の上で腕立て伏せをするようなイメージで肘の曲げ伸ばしを行う
- この上下運動を繰り返す
③器具を使ったディップス
手元の高さを上げられる、以下のような器具があると「大胸筋」「広背筋」の両面を同時に鍛えることができます。
手順
- 地面に座った状態で、骨盤の横辺りに器具を置く
- この器具の上に手を置く
- 腕の力で身体を持ち上げ、肘を伸ばす
- 身体を一度地面に下ろし、再度身体を持ち上げる
- 身体の上下運動を繰り返す
このディップスのポイントは、
身体の真横よりも、少し前側に器具を設定する
ということ。
先ほど肩の自然な位置は「前方35度」にあるとお伝えしましたよね。この位置でディップスを行えば大胸筋や広背筋の両面を刺激できます。
そのためには、器具を身体の真横ではなく少し前側に置くのがポイント。ここをぜひおさえた上で行ってみてください。
④立った状態でディップス
次の方法は、シェイプアップ目的のクライアントさんによく現場でも実践してもらう方法です。
これは1種目で上半身ほとんどの筋肉を引き締めることができますので、運動不足の方に特におすすめ。
手順
- 脚を肩幅に開き、太ももの前側で手を構える
- 前もも当たりを真下に押し込むように肘を伸ばす
- 小さくグッ、グッと押し込み、上半身全体の筋肉を刺激する
⑤反動ディップス
最後の方法は、地面でできるディップスです。
手順
- 両膝を90度ぐらいに立て、地面に座る
- 両手を身体の後方につき、肩幅ぐらいに開く
- お尻を浮かせて、腕の力で身体を支えておく
- 軽く脇を締めた状態で、お尻を地面に落とす
- お尻が地面についた反動で再度身体を持ち上げる
- 弾むようにディップスを繰り返す
このディップスでは、「広背筋」や「上腕三頭筋」などの筋肉が刺激されますが、反動を使って刺激しています。
こういう反動を使って筋肉を刺激すると、
- 運動不足などで硬く萎縮していた筋肉がぶわっと膨らむ
- 筋肉が膨らむことで基礎代謝が上がる
- 基礎代謝が上がるとダイエットのプラスになる
といった効果が期待でき、特に運動不足ぎみの女性におすすめな方法ですね。
今回はディップスをメインで解説していますが、もしこういった方法に興味がある方は、以下の記事で全身の筋トレ方法もご紹介しています。
ディップスのNGフォーム
また全てのディップスに共通することですが、
- 肘の位置が動いてしまう
- 肩がすくんでします
- 身体が前後に動く
などの動作はNG。
こういった動きをしてしまうと、本来効かせたい部位から刺激が逃げてしまい、思ったような成果が得られなくなります。
上記のような3つには注意しつつディップスを行ってみてください。
目的によって回数などを変える
上記でお伝えした方法にプラスして、回数などを適切に設定すると筋肉がついたり、逆に細く引き締めることができます。
大きな目安とすれば、
- 引き締め=限界の1歩手前で少し余力を持って終える
- 筋肥大=反復できなくなるまで追い込む
という違いがあり、こういったイメージで行えば同じ方法でも身体は目的通りに変わります。
もし筋肥大が目的の方は、以下の記事で詳しい数値設定などについては解説しているので、こちらも参考にどうぞ。
【筋トレ】ディップスの効果や5種類のやり方のまとめ
今回は、ディップスの効果ややり方を5種類ご紹介しました。
今回の記事のまとめ
- ディップスは、上半身のほとんどの筋肉が鍛えられる
- また、強度調節をすれば引き締め&筋肥大両方の効果が得られる
- ディップスは、腕や肩の位置によって効く部位が変わる
- 肩の位置が前方35度の状態で行えば大胸筋・広背筋の両面が鍛えられる
- 反動を使えばダイエットのプラスにもなる
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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