太ももに触れてみるとガチガチに硬く、「たくましい」と感じるぐらい太いと悩んでしまいますよね。
この硬くなった太ももは、筋肉をほぐして硬くなる根本的な問題を取り除ければ、柔らかくすることが可能です。
一番のポイントは、ただストレッチングをするのではなく、「揺らす」「擦る」という方法を併用すること。そうすれば、1回で簡単に硬い太ももを柔らかくできます。
この記事では、
- 太ももが硬い原因
- 硬い太ももを柔らかくする3つの方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
全て現場で実践して、クライアントさんからも「こんな方法で柔らかくなるんですね」と感想をいただいた内容になるので、ぜひ変化を実感してみてください。
今回は、太ももの“硬さ”を改善する方法をメインで解説しますが、もし太ももの前側の張りや太さで悩む方は「太ももの前側がパンパンに張り出して太い原因と細くする3つの手順」をご覧ください。
今回の記事の内容
太ももが硬い原因
そもそも太ももが“硬い”というのは、どういう状況なのかというところから解説します。
太ももが硬い=筋肉が緊張状態
太ももに触れたり、前屈などをしたときに「太ももが硬い」と感じる場合、大きく分けて2つの要因が関係しています。
- 太ももの筋肉そのものが硬くなっている
- 筋膜という筋肉の周りを覆っている膜が硬くなっている
筋肉と筋膜は互いに影響し合う関係にありますが、シンプルな理解としては、
太ももの筋肉がストレスを受けて緊張しているから硬いと感じる
ということです。
脂肪が固まったり、むくみがひどくて…などと言われることもありますが、ある程度関係はあります。
ただ、太ももが硬くなる1番の原因は「筋肉」が最も関係しているということをまずおさえておいてくださいね。
では、なぜ太ももの筋肉が硬くなってしまうのでしょうか?
ハードな筋トレなどを行っている
筋肉は本来柔らかい状態が自然で、赤ちゃんの身体を想像してもらうとわかりやすいと思います。
赤ちゃんの身体はどこかムチムチして、柔らかいイメージ。だけど、
筋肉を酷使したり、運動不足で使わなさすぎると筋肉は硬くなる
という性質があるんですね。だから、太ももが硬い方は何かしら太ももにストレスをかけ続けるようなことをした結果、太ももが硬くなっているはず。
その原因の1つに挙げられるのが、ハードな筋トレ。例えば、こういうイメージでスクワットをするとします。
イメージとしては、
膝がつま先よりも出ないようにしゃがむ
という感覚でしゃがんでいますが、これに数十kgの重りを持って行うとします。
そうすると、全身をグーっと緊張させて力んでしまう。大きなストレスが太ももにかかり、その後小鹿のように下半身はプルプルする。
その後太ももを柔らかくほぐせば問題ありませんが、大概の場合何もしない。その結果、太ももが硬くなっていくイメージってわいてきますよね。
ここでは、ハードな筋トレと表現しましたが、
- ウォーキング
- ランニング
- 踏み台昇降 など
いろんな方法でも同じことが言え、太ももをグッと硬く力ませるようなことを続けていると、太ももは硬くなってきます。
筋肉をほぐす習慣がない
また、ハードな筋トレをしていない方の場合であっても、座りっぱなしの状態が数時間も続いている方は太ももが硬くなります。
座っているときの姿勢は、こういう状態ですよね。
このとき、股関節や膝関節は曲がった状態で、太ももの筋肉は本来の状態から伸ばされたり、縮んだりしている状態です。
いわゆる「ストレスを受けた状態」にあり、この姿勢を長時間とりつづけると、結果的に太ももは硬くなってきます。
ポイントはここからで、毎日夜寝る前に太ももや全身をほぐす習慣ってありますか?おそらく太ももが硬い方はないですよね。
つまり、
- 長時間座り続け、太ももが硬くなる
- 硬い筋肉をほぐす習慣がない
- 寝ると少しだけ筋肉は柔らかくなるがほぐれない
- 次の日また長時間座り続けて太ももが硬くなる
- ほぐさず寝るので、さらに硬くなる…
というように悪循環に陥ってしまう。
その結果、太ももがガチガチに硬くなり、むくみなどと合わさると太くもなってきます。
ですので、太ももをほぐす習慣がないことで太ももが硬くなっているとも言えるわけなんですね。
ちなみに、ふくらはぎや足首が硬くなる原因も同じです。ふくらはぎなどの硬さを感じる方は「ふくらはぎが硬い原因と柔らかくする4つの方法」や「足首が硬い原因とあまり知られていない改善方法」も参考にしてみてください。
筋膜が硬くなる=柔軟性が低下する
太ももが硬くなる原因はなんとなくイメージしていただけたと思いますが、次は筋膜との関係について解説します。
筋膜は、筋肉などを覆っている膜のことですが、
筋肉が硬くなると、筋膜も硬くなる
という関係性があります。
ここでぜひ覚えておいてほしいことは、
前屈などをしたときに「硬いな。」と感じる要素の約41%は筋膜が感じている
ということ。
身体の硬さは、その他の要因も関係していますが、最も大きな割合で硬さに関係しているのが筋膜です。
つまり、
筋膜そのものが硬くなると、太ももは非常に硬くなり、柔軟性が低下する
ということが起こります。もし柔軟性を高めたい方は、ストレッチングを行う場合筋膜を約90秒以上伸ばし続けることがポイントになります。
これは後程解説しますね。
ここまでのことをまとめると、
- ハードな筋トレをする
- もしくは、座りっぱなしの生活で筋肉をほぐす習慣がない
- その結果、太ももの筋肉や筋膜が硬くなる
- だから、今感じている太もものゴツさ、柔軟性の低さを感じている
というわけです。
ですので、硬い太ももを柔らかくするためには、
筋肉と筋膜を柔らかく緩める(ほぐす)必要がある
ということです。そうすれば、太ももは柔らかくなり、太さや柔軟性も改善がみられるんですね。
“セルライト”が溜まりすぎ?
太ももに限らず、お尻などでもよく言われますが、
硬くなっている=セルライトが溜まっている
と表現されますが、おそらくその可能性は低いと思います。
別の記事でも解説しましたが、医学の世界では「セルライトは皮下脂肪と同じ」とされています。
今回はここの深堀はしませんが、太ももが硬いこととセルライトが溜まっていることは別問題。ですので、太ももの硬さとセルライトは特に関係ありません。
動画でも詳しく解説しているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。
次に解説する太ももを柔らかく方法を実践してもらうと、このことについてもよく理解できると思うので、次は柔らかくする方法をご紹介していきますね。
硬い太ももを柔らかくする3つの手順①:太ももを擦る&揺らす
やるべきことを最初にまとめると、以下の3つのことが大きなポイントになります。
3つのこと
- 太ももを擦る&揺らしてほぐす
- 太もものストレッチを行う
- 太ももが硬くなる根本原因を取り除く
それぞれ具体的に解説するので、ぜひ実践しながら身体の変化を感じてくださいね。
まず、太ももを擦ったり揺らして柔らかくする方法をご紹介します。
①太ももの前側を擦る
まずより太ももの硬さを改善するために、太もも全体を軽く擦っていきます。擦ることでより筋肉が柔らかくなり、硬さを改善しやすくなるんですね。
手順
- 座った状態で、片脚をリラックスさせて伸ばす
- 太ももの前側を軽く擦る
- これも2分間ほど行う
このときの力加減は、「赤ちゃんを優しくなでるぐらい」の強さでOKです。優しいタッチで擦れば、ある意味準備完了。そして、次から筋肉を揺らしていきます。
②太ももを縦に揺らす
手順
- 座った状態で、片脚をリラックスさせて伸ばす
- 膝裏辺りを持ち、太ももを軽くバウンドさせるように揺らす
- これを2分間行う
最初は少し腕が疲れるかもですが、慣れてくると疲れなくなるので、慣れるまでぜひ続けてほしいですね。
揺らし続けると太ももはぐにゃぐにゃに柔らかくなっているはず。この変化の理由は、
- 筋肉を揺らす
- 血流が改善する
- 血流が改善すると筋肉が緩む
- そしてむくみも改善する
などが起こっていると考えられるからです。
張りだけではなくむくみも改善することで、前ももはよりスッキリして細くなっていきます。
③太ももを横に揺らす
続いては、前ももの筋肉を横向きに揺らしていきます。
手順
- 座った状態で、片脚をリラックスさせて伸ばす
- 前ももに軽く手を沿える
- 前ももの筋肉を左右に軽く揺らす
- これを2分間行う
この3つは僕が実際に現場で使用しているテクニックで、クライアントさんも1回行えば「前ももって本当に変わるんですね。」と必ず言われる方法です。
ですので、ストレッチとマッサージどちらがいいかと聞かれると後者の筋肉を揺らす方法を継続した方が、より硬さの変化は実感できると思います。
もしどうしても自分の腕でやると疲れる方は、「アセチノ」と言われる電動でブルブル筋肉を揺らせるアイテムを使うのもありです。これは試したアイテムの中で最もおすすめ。
お風呂の中でも使えるので、忙しい向きですね。
これを太ももに1分間当てるだけで、硬かった太ももがふわふわ状態に緩んでスッキリします。
次は、さらに太ももの柔らかさや柔軟性を高める方法を行っていきます。
硬い太ももを柔らかくする3つの手順②:太もものストレッチを行う
先ほど原因のところで「筋膜が硬くなる」とお伝えしましたが、90秒以上のストレッチングを行うと筋肉・筋膜両方を柔らかくすることができます。
ですので、以下のストレッチングを2分間行ってみてください。そうすると、柔軟性が向上します。
※時間がない方は、各30秒間ずつでもOKです!
①膝を胸に引き寄せる
まず最初に行ってほしいのは、動きの中で前ももの筋肉を緩めるという方法です。
手順
- 仰向けになり、両膝を90度ぐらいに立てる
- 口から息を吐きながら、軽く膝を胸の方へ引き寄せる
- この動作を1分間行う
こういった動作をすると、ある程度前ももの筋肉が緩んできます。合わせて以下の方法を行っていきます。
②脚を滑らせるように伸ばす
手順
- 仰向けの状態で片膝を曲げる
- もう一方の脚は伸ばしておく
- 曲げた膝を脱力するように伸ばす
- このとき伸ばしていた膝を曲げる
- 脚を交互に曲げ伸ばしを1分間繰り返す
この2つである程度前ももの筋肉を緩めると、次は伸ばし続けるストレッチングに移っていきます。
③前もものストレッチング
前もものストレッチングのポイントは、2分間行うということですね。2分間伸ばし続けると、かなり張りが改善して柔らかくなっていきます。
手順
- 座った状態で、片脚を曲げる
- 足の甲をつけた状態で両手は身体の後ろにつく
- 太ももの前側が気持ち良く伸びるところでキープする
- この状態で2分間ストレッチングを行う
④前ももの付け根のストレッチング
手順
- 脚を前後に大きく開く
- 前脚は膝を90度、後脚は足の甲を地面につけて伸ばす
- 後脚の太ももの付け根を伸ばすように身体を少し反らせる
- この状態で2分間ストレッチングを行う
⑤裏もものストレッチング
手順
- 座った状態で両脚を伸ばす
- 軽く膝を曲げておく
- その状態で身体を前屈させる
- もも裏が気持ち良く伸ばされた位置でキープする
- この状態で2分間ストレッチングする
⑥しゃがみ込みのストレッチング
手順
- 脚を肩幅に開き、つま先も軽く開く
- 体重を踝の真下に乗せておく
- そのまましゃがみ込み、膝とつま先を同じ方向に向ける
- この状態で2分間ストレッチングを行う
このポージングがとれない方は、こちらを実践してみてください。
⑦膝を抱えるストレッチング
手順
- 仰向けの状態で、両膝を90度に曲げる
- 両膝を胸に引き寄せ、手で抱える
- この状態で2分間ストレッチングを行う
こういったストレッチングを毎日行うことで、筋膜が緩み、根本的な柔軟性の向上が期待できます。
ここまで太ももを柔らかくする方法を解説しましたが、根本的に太ももを柔らかくしようと思うと、ここからのことが最も重要なことになります。
硬い太ももを柔らかくする3つの手順③:太ももが硬くなる根本原因を取り除く
先ほど太ももが硬くなる原因のところで、スクワットなどのやり方によって太ももが硬くなるとお伝えしました。
筋肉をほぐして柔らかくすることは必要ですが、プラスして、
- スクワット
- 座り方
- 歩き方 など
根本的に太ももを硬くする原因を取り除く必要があります。
つまり、これらのやり方そのものを変え、
太ももが硬くならないように、動作をする必要がある
ということです。
これらの動作などは、以下の記事で詳しく解説しているのでこちらを参考にしてみてください。
こういった太ももが硬くなる根本原因まで取り除くことができると、太ももは柔らかく維持できるので、ぜひここまでを参考に実践してほしいなと思います。
太ももが硬い原因と柔らかくする3つの手順のまとめ
今回は、太ももが硬い原因と柔らかくするために行っている3つのことをお伝えしました。
今回の記事のまとめ
- 太ももが硬くなっているのは、主に筋肉が緊張しているから
- 筋肉が緊張する原因は、ハードな筋トレなどを行っているから
- または、筋トレをしていない場合でも、ほぐす習慣がないと太ももは硬くなる
- 柔らかくするためには、まず筋肉を揺らしてほぐす&気持ちよく股関節を動かす
- そして、根本原因を取り除けば太ももは柔らかい状態を維持できる
こういった内容をお伝えしました。
今回お伝えした流れで太ももは柔らかくできるので、ぜひ実践してみてくださいね。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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