肩周りの筋肉をメインに鍛えられるショルダープレスを行う時は、腕の位置を目的に合わせて設定することで三角筋を適切に肥大させることができます。
また、動き出す位置によっても刺激される筋肉が変わり、この“ちょっと”した動きの理解でより効率的に肩周りを鍛えることができるんですね。
ショルダープレスやダンベルプレスを行ってもあまり成果が得られない方は、身体の構造などを知ればまた違った変化を実感できるはず。
この記事では、
- ショルダープレスで鍛えられる筋肉
- ショルダープレスの効果
- ショルダープレスのやり方・フォーム
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
今回お伝えするショルダープレスなどの方法では、ただ肩周りを鍛えるだけではなく、お腹なども引き締めることが可能です。
ぜひ目的に合わせたやり方なども知り、実践してみてくださいね。では、早速解説します!
今回の記事の内容
ショルダープレスで鍛えられる筋肉
ショルダープレスで鍛えられる主な筋肉は、
- 三角筋-全体
- 僧帽筋-上部
- 大胸筋-上部(ダンベルを使用時)
- 上腕三頭筋
などです。
ショルダープレスやダンベルプレスは、これらのどの筋肉をメインで鍛えたいのかによって微妙に動きに変化を出す必要があります。
この辺りは後程詳しく解説しますね。
ショルダープレスの効果
ショルダープレスやダンベルプレスは、目的によって動きを変えることで以下のような効果が期待できます。
- 肩幅を広くできる
- 腕周りが太くなる
- 腕の使い方で、大胸筋の上部も鍛えられる
- ウエストを引き締めることができる
- 姿勢改善のトレーニングになる
など。それぞれ解説します。
肩幅を広くできる
ショルダープレスやダンベルプレスによって期待できる最もわかりやすい効果は、肩幅を広くできるということ。
肩の上辺りに設定した重りを頭上に上げる。
この動作では、三角筋という肩の筋肉がメインで刺激を受けますが、僕自身もこの種目を重ねることで肩幅が広くなりました。
特に肩幅が狭いと悩む男性は、こういったショルダープレスを行うことで、より男性らしい肩幅が広い体型へと変わることができます。
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腕が太くなる
ショルダープレスのメインは「三角筋」を鍛えることですが、重りを頭上に上げる際は肘を伸ばしますよね。
この肘を伸ばす動作のときに刺激を受けるのが、「上腕三頭筋」という二の腕の筋肉。
ショルダープレスやダンベルプレスで筋肉を追い込めば、肩と一緒に腕も太くなっていきます。
大胸筋上部も鍛えられる
ダンベルショルダープレスを行う時、肘が伸び切ると同時に手のひらを正面に向けるように肘を伸ばします。
この動きは、肩の内旋(ないせん)といって腕を内側に捻る動きをしているんですね。
こういった腕を内側に捻る動きをしつつダンベルプレスを行うことで、大胸筋という胸の筋肉の上部に刺激が加わります。
厚みのある胸を作る場合、大胸筋上部を刺激することが重要ですが、ダンベルプレスを行えば厚みのある大胸筋に近づくことも可能ですね。
ウエストも引き締まる
ショルダープレスが女性におすすめな理由の1つに、ウエストが引き締まるということがあります。
人間の身体は、
- 日頃身体を丸めて長時間座っている
- 姿勢が崩れて、お腹に脂肪が移動してくる
- またお腹の空洞が大きくなり膨れる
- その結果、お腹が太くなってしまう
という変化が起こるんですね。
こういった姿勢によって起こるお腹のたるみに対して、ショルダープレスで身体を縦に引き伸ばすような刺激を加えると、お腹も引き締まります。
もしお腹のたるみや太さに悩む方は、「お腹だけ太い原因と細く引っ込める6つの方法」も参考にしてみてください。
姿勢改善にも効果的
またもう1つの効果としては、姿勢改善にも役立ちます。
例えば、日頃身体が丸まった状態で座っている方は、このような姿勢がインプットされてしまう。
こういった状態の方は、まず座り方を改善して適度に骨盤が前傾状態で座ります。
この姿勢を維持したままショルダープレスなりダンベルプレスを行うことで、この自然な座り方をより身体がインプットするんですね。
そうすると、ショルダープレスが終わった後は姿勢が改善し、身体の丸まりも改善する。
このように「自然な姿勢をインプットさせる」という目的でもショルダープレスを活用できます。
では、こういった効果を引き出すためには、具体的にどのようにショルダープレスなどを行えばいいのでしょうか?
【筋トレ】ショルダープレスのフォーム・やり方を解説
ショルダープレスのやり方・フォームを解説しましたが、まず知っておいてほしいことは肩の構造についてです。
ここから解説しますね。
肩の自然な状態
人間の肩は、壁に背中をつけた状態で上方から見ると以下のような構造をしています。
前方35度といって、背中の真横のラインに対して肩は少し前側についているのが自然なんですね。
この前方35度の位置で腕を上げることで、三角筋全体が刺激されます。
そして、この位置から前後することで、以下のような変化が起こります。
- 前方35度よりも前:三角筋の前部
- 前方35度:三角筋全体
- 前方35度よりも後:三角筋の後部
腕の角度によって三角筋のどこがメインで刺激を受けるのかが変わる。これは、直接フォームに影響するので、ぜひ覚えておいてください。
三角筋全体を鍛えたり、動きをスムーズに行うためには、
腕を身体の少し前側で動かす
ということが大きなポイント。
これを踏まえた上でショルダープレスやダンベルプレスのやり方を解説しますが、ショルダープレスはバリエーションが多いので、目的別に解説しますね。
フロントショルダープレスのフォーム
手順
- ベンチに座り、体幹を地面に対して垂直に保つ
- 胸を軽く突き出すようにし、鎖骨の上辺りがバーを構える
- 腕が前方35度の位置にくるように設定し、そのまま頭上にバーを押し上げる
- 体幹から腕が一直線になるように、頭の真上の位置でバーを保持する
- 顔の前を通り、鎖骨の上にバーを下げる
あまり身体が反りすぎないように注意して、首を長くしたままバーを押し上げると三角筋にうまく効かせることができます。
バックプレスのフォーム
バックプレスは、フロントショルダープレスと要領は同じです。
手順
- ベンチに座り、体幹を地面に対して垂直に保つ
- 後頭部に沿わせるように、肩にバーを置く
- そこから頭上にバーを押し上げる
- 体幹から腕が一直線になるように、頭の真上の位置でバーを保持する
- 後頭部に沿わせながら、バーを下ろし繰り返す
バックプレスの場合、手首が寝てしまわないように立て、腰が反らないようにまっすぐの状態を維持させることがポイントです。
三角筋により効かせるショルダープレスのフォーム
三角筋に効かせるためには、重りを押し上げるときに手で押し上げるのではなく、
気持ち肩から動くような感覚でショルダープレスを行う
と三角筋によく効かせられます。
この動き出しのイメージは、効く場所が全く変わるので三角筋を大きくしたい方は、習得したい感覚ですね。
ショルダープレスのNGフォーム
また、ショルダープレスや後程解説するダンベルプレスのNGフォームは似ているので、合わせて解説します。
特に起こりやすいNGフォームは、
肩がすくんだ状態でダンベルを押し上げてしまう
ということ。
肩がすくんでしまうと三角筋ではなく僧帽筋にストレスがかかり、肩こりの原因になってしまうので、こういうフォームはNG。
もしショルダープレスなどをして肩こりや頭痛に悩まされる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
ここまではショルダープレスについて解説しましたが、続いてはダンベルプレスのやり方・フォームを解説します。
【筋トレ】ダンベルプレスのやり方・フォームを解説
ダンベルプレスの基本的なやり方・フォームは以下の通り。
ダンベルショルダープレスのフォーム
手順
- 肩の上辺りでダンベルを構える
- そのまま頭上に押し上げ、肘を伸ばす
- 肘が伸びると同時に、手の平が正面に向くようにする
- そこから肩までダンベルを下げ、この動作を繰り返す
大胸筋の上部を鍛えたい場合、必ず肘が伸び切ると同時に手の平を正面に向けます。そうすると、大胸筋の上部に刺激が加わります。
あとは、ダンベルを押し上げるときに腕が前方35度の位置からずれないように注意して行います。
そうすれば、
- 三角筋全体
- 大胸筋
- 上腕三頭筋
など、先ほどお伝えしたすべての筋肉に刺激が加わります。
ウエストを引き締めるショルダープレスのフォーム
ウエストを引き締める目的でダンベルプレスを行う場合は、できるだけ身体を縦に引き伸ばすように行います。
手順
- ベンチに座り、肩の前辺りで軽めのダンベルを持つ
- 頭上にダンベルを持ち上げ、このとき身体をできるだけ縦に引き伸ばす
- そして、口から強く息を吐き、お腹を凹ませる
- 肩の前にダンベルを下ろし、再度同じ動きを繰り返す
この種目は特にお腹のたるみが気になる方におすすめで、1回行っただけでもウエストが-2~3cmダウンする方もいるぐらい効果的。
また、このダンベルプレスを行う時に、姿勢を整えた状態で行えば姿勢改善にも役立ちます。
このように、同じようなフォームに見えても目的によってやり方を微調整することで、さまざまな効果を引き出すことができるのでぜひ参考に実践してみてください。
【筋トレ】ショルダープレスのフォーム・やり方のまとめ
今回は、ショルダープレスやダンベルプレスのフォーム・やり方を解説しました。
今回の記事のまとめ
- ショルダープレスでは、主に肩や胸の筋肉を鍛えられる
- ショルダープレスを行うと、肩の肥大やウエストダウンの効果が得られる
- 目的によって細かい動作を変えることがポイント
- 基本は、肩の位置が前方35度の位置で腕を曲げ伸ばしすること
- ウエストを引き締めたい場合は、できるだけ縦に身体を引き伸ばす
こういった内容をお伝えしていきました。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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