「ランニングで脚やせできるのかな?」と疑問を持つ方もいると思いますが、結論から言えばランニングで脚やせは可能です。
ただ、走り方によっては脚が太くなることもあるため、大切なことは“いかに脚やせする走り方でランニングができるか”ということが重要です。
脚やせするフォームでランニングができると、前ももスッキリ&ヒップがキュッと上がったスタイルに近づいていけます。
この記事では、
- ランニングで脚が太くなる原因
- ランニングで脚やせする方法
- ランニングで期待できる脚やせ効果
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
いきなり走り始める前に、着地の仕方を変えることが1番のポイントになるので、ぜひそのポイントをおさえて実践してみてください。
この記事でお伝えする内容は、すべて現場で実践して脚が細くなったのを確認できている内容ですので、包み隠さずすべてをお伝えします。
今回の記事の内容
脚が太くなる5つの理由
まず最初に知っていただきたいことは、そもそもなぜ脚が太くなるのか?ということ。
今ご自身の脚は、どのようなことが理由で太くなっていますか?この答えによってランニングでの走り方が少し変わってくるんですね。
現場での経験から、主に5つの要素で脚が太くなっていると考えられます。
- 筋肉の張り
- むくみ
- 関節の捻れ
- 脂肪が多い
- 筋肉が太い
おそらく脚の太さに悩む方の多くは、「筋肉の張り」「むくみ」「脂肪が多い」などが原因となっているケースが多いんですね。
ランニングで脚やせしようと思うと、こういった原因を取り除くような形で走る必要があります。
では、具体的にランニングで脚やせしようと思うと、どのように走ればいいのでしょうか?詳しく解説していきますね。
ランニングで“確実に”脚やせするために知っておきたい3つの方法
ランニングで“確実に”脚やせするために知っておきたいことは、以下の3つです。
- フラット着地を身体にインプットする
- 重心を高い位置に設定する
- 重心を移動させるようにランニングする
それぞれ解説しますね。
①フラット着地を身体にインプットする
ランニングで脚やせするために最も必要なことが、
フラット着地を身体にインプットする
ということです。
このフラット着地でランニングをすることで、
- 前ももの張りがスッキリする
- 裏ももは引き締まり、ヒップアップする
- ふくらはぎも細くなる
こういった脚やせの変化を実感することができるようになります。
3点支持を理解する
人間の身体は、自然な状態で足裏に体重がかかると3点支持ができると言われています。
こういった比率で足裏に体重がかかることで、着地したときに地面から受ける衝撃は脚や体幹に分散されます。
そうすると、脚全体の筋肉1つ1つは“小さな刺激”を受けることになります。
筋肉は小さな刺激を繰り返し受けることで、
細くしなやかな状態に変わる
という性質があるため、この3点支持(フラット着地)ができることで脚の筋肉が引き締まって脚やせできるというわけです。
フラット着地をするコツ
ただ、人間は1つのことしか意識できないため、意識して3点支持を実現させようと思っても不可能。
「1点に体重を乗せる意識を持ち、結果的に3点支持ができるようにすること」が重要になります。その“1点”というのが踝の真下。
踝の真下に体重を乗せることで3点支持ができ、着地の際に受ける衝撃は脚や体幹に分散されます。
ここで着地を繰り返すようにランニングができると、前ももの張りが改善してスッキリし、逆にヒップへの刺激が増えるためヒップアップしてきます。
ちなみに、踝の真下で着地ができるとこういう着地になります。
少しつま先の方へ着地位置がズレると踵が浮きます。
足裏全体で着地をするような形になるので、これはぜひイメージとして頭の中に入れておいてください。
フラット着地の習得方法①
この踝の真下で着地を繰り返すためには、いきなりランニングをする前に、まずはその場でフラット着地のみを繰り返し行っていきます。
身体に確実にインプットできたら、ランニングにつなげていくという流れをとります。
まず行ってほしいことは、以下の連続ジャンプ。
手順
- 脚を肩幅に開く
- つま先は軽く開き、体重を踝の真下に乗せる
- その場で連続ジャンプを繰り返し踝の真下で着地する
(踝の真下が分かりづらい方は、足裏全体で着地するイメージでもOKです!) - 確実にフラット着地ができるまで休みを挟みつつ繰り返す
おそらく最初は踝の真下に体重を乗せづらいと思いますが、繰り返せば自然にフラット着地ができるようになります。
また、
- 踝の真下よりつま先で着地してしまう=ふくらはぎがパンパンに張る
- 踝の真下で着地ができる=お尻の付け根に刺激が加わる
という感覚になるため、この感覚を目安に適切に着地ができているかを判断してみてください。
お尻の付け根に刺激が加わるようになれば、次は片足で連続ジャンプを繰り返します。
フラット着地の習得方法②
続いて行うのは、片足での連続ジャンプ。
手順
- 片足で立ち、体重を踝の真下に乗せる
- その場で連続ジャンプを繰り返し踝の真下で着地する
(踝の真下が分かりづらい方は、足裏全体で着地するイメージでもOKです!) - 確実にフラット着地ができるまで休みを挟みつつ繰り返す
両脚と同じ要領で行い、判断基準も同じです。
- 踝の真下よりつま先で着地してしまう=ふくらはぎがパンパンに張る
- 踝の真下で着地ができる=お尻の付け根に刺激が加わる
左右それぞれでフラット着地が確実にできるように繰り返します。
そして、この片足で連続ジャンプを行う時、おそらくどちらかの脚がやりづらく不安定になるはず。
もし左右差がある場合は、不安定に感じる側を少し時間を長めにして、“確実に”フラット着地ができるように繰り返します。
フラット着地の習得方法③
そして、確実に片足での連続ジャンプができるようになれば、次は交互に着地を繰り返します。
手順
- 脚を肩幅に開く
- つま先は軽く開き、体重を踝の真下に乗せる
- その場で交互に片足ジャンプを繰り返し踝の真下で着地する
(踝の真下が分かりづらい方は、足裏全体で着地するイメージでもOKです!) - 確実にフラット着地ができるまで休みを挟みつつ繰り返す
イメージとすれば、両脚着地から徐々にランニングフォームにつなげるという流れで交互ジャンプにつなげていきます。
この3つそれぞれでフラット着地が確実にできるようになれば、ランニングをしたときに自然にフラット着地で走ることができます。
ここまでの流れができると、次はランニングを行っていきます。ランニングをするときのポイントを解説しますね。
②重心を高い位置に設定する
ランニングをするとき最初に行ってほしいことは、重心の位置を高い位置に設定するということ。
※重心=身体を動かすポイント、と理解してもらうとわかりやすいと思います!
何も気にせず走り出すと、大体のケースではへそ辺りに重心があります。
ランニングをする場合、まずは、
- 顔や鼻
- 胸元
など、身体の高い位置に重心を設定します。
重心を高い位置に設定して走ると、
- 脚へのストレスが軽減される
- 走ること自体が楽になる
- フラットに着地しやすくなる
という変化が起こるため、脚やせしたい方には必ずしてほしいことの1つです。
先ほど「重心位置は顔や胸元」とお伝えしましたが、これはみぞおちよりも高い位置であればどこでもOK。
実際にランニングをしたときに、「ここに重心をおくと走りやすいな。」と感じる位置が出てくるので、そこに設定してください。
そして、重心を高く設定できると次は実際にランニングを行っていきます。
③重心を前に運ぶように走る
ランニングで意識してほしいことは、
高く設定した重心を前に運ぶ
というイメージで走り続けることです。
実際に脚やせしたい方に実践してほしいランニング方法は、これだけです。
先ほど前もってフラット着地を身体にインプットさせているので、後は高く設定した重心位置を前にスーッと運ぶイメージで走るだけ。
気持ち良く走れるペースでランニングすれば、僕がお伝えしたいランニングで脚やせする方法としては完成です。
少し補足をしておくと、重心移動と脚の動きは関連性があるんですね。まずこちらの画像をご覧ください。
この立った状態から、身体を前にスーッと倒していきます。
このまま倒れていくとどうなるでしょうか?おそらく、ほとんどの方は“無意識に”脚が前にパッと出てくると思います。
ここからわかることは、
重心が移動した方向に、自然に脚が出てくる
ということです。人は脚を前に出そうと意識しなくても、重心を前に運べば自然に脚が前に出てくる。
しかも、意識的に脚を前に出すのと自然に出てくるのとでは、以下の違いがあります。
- 意識的に脚を前に出す→筋肉が緊張して動きが硬くなり、フラットに着地しづらい
- 無意識に脚が出てくる→筋肉はリラックスしており、フラット着地がしやすくなる
重心を高く設定してシンプルに重心を前に運ぼうとすれば、その方向に脚が自然に出てきて、それだけで楽に走れてフラットにも着地できる。
気持ち良く走り続けるだけで脚やせできるというイメージで、本当に快適に感じる中で脚やせしていくんですね。
感覚的には、本当に胸辺りをスーッと前に運ぶだけでOK。
ここまでお伝えした一連の流れができると、脚の余分な張りやむくみが改善し、脂肪燃焼もされて脚やせするのでぜひ参考に実践してみてください。
そして次は、ランニングで脚が太くなってしまう原因や具体的なフォームを解説していきます。
ランニングで脚が太くなる原因
ランニングで脚が太くなっている方は、以下のような走り方になっている可能性があります。
- ブレーキがかかるような着地をしている
- 重心の位置が低い
- 下り坂をよく走る
- 走るテンポが速すぎる
- 走る頻度が多すぎる
それぞれ解説していきますね。
ブレーキがかかるような着地をしている
ランニングで脚やせしたいのに、
- 前ももがパンパンに張り出してきた
- ふくらはぎに筋肉がついたように感じる
こういった脚が太くなったと感じる方は、
- 身体の前で足が着地する
- 地面を突くように着地している
などが原因の可能性があります。
先ほどもお伝えしましたが、自然な状態で着地ができれば足裏全体で着地するはずです。
ですが、走り方のフォームや着地の仕方がまずいとこのように地面を突くように着地してしまう。
このつま先で地面を突くような着地は、「前もも」「ふくらはぎ」の2ヶ所に大きなストレスがかかります。
ランニングは一度宙に身体が浮き、片足で着地をします。このとき片足にかかるストレスは体重の数倍。
つまり、50kgの人であれば着地の度に100kg以上にストレスが前ももやふくらはぎにかかってしまうんですね。
当然、これだけ大きなストレスを受けた部位の筋肉は張ったり太くなったりするため、こういうつま先着地を繰り返している場合は脚が太くなります。
もし太ももの前側の張りで悩む方は、「太ももの前側が太い&パンパンに張り出す原因と細くする3つの手順」も参考にしてみてください。
重心の位置が低い
先ほど「重心の位置は高く設定する」とお伝えしましたが、逆に足元など低い位置に重心がある場合も脚が太くなる可能性があります。
この理由は、
- 重心が低いと身体にかかるストレスが大きくなる
- ランニングをしたとき、身体の前側で着地を繰り返す
- 身体の前側で着地すれば、前ももなどにかかるストレスが大きくなる
- 繰り返せば筋肉が太くなる
という変化が生まれるためです。
ですので、ランニングで脚やせしたい方は走っている時に足元に意識を向けるのはNG。
足元に意識を向けてしまうと重心が下がり、脚への負担が増すため、脚やせしたい場合は必ず高い位置に重心を設定するようにします。
下り坂をよく走る
走り方に問題がなくても、よく下り坂を走る方は上記と同じような刺激を受けているかもしれません。
山を登るときよりも、下るときの方が筋肉痛になりやすい
と聞いたことはないでしょうか?下り坂を下ろうとすると、スピードを制限するために自然にブレーキをかけるように身体を使います。
本当にリラックスした状態で下り坂を走ると、下り坂を転がり落ちるボールのようにどんどん加速するはず。
ただ、人間の場合はスピードをコントロールしてブレーキをかけてしまう。
このブレーキをかける動作で問題なのは、前ももやふくらはぎなどの筋肉がエキセントリックな刺激を受けるという点。
エキセントリックな刺激というのは、
筋肉が伸ばされながら刺激を受けることをいい、この刺激は速筋に刺激が加わって筋肉が太くなる
という特徴があります。こういう刺激が加わると筋肉痛が起こりやすい。
ですので、
下り坂を走ることでブレーキ動作を自然に行ってしまい、その結果筋肉がついて脚が太くなる
ということが起こる可能性があります。
下り坂を走ること自体が問題ではなく、ブレーキ動作をしてしまうことが問題ですので、もし下り坂が続く方は走る環境を変えると脚やせするかもしれません。
次は、走るテンポについてです。
走るテンポが速すぎる
リズムのイメージとして、
- トンッ、トンッ、トンッ…:リラックスして着地のリズムが一定間隔空く
- パッ、パッ、パッ、パッ…:着地の感覚が短い
というランニングスピードの違いがあれば、後者のような着地を繰り返すと、筋肉が速いテンポで収縮します。
速いテンポで筋肉を使ってしまうと、筋肉の中の血流が制限されはじめ、低酸素状態になってしまう。
筋肉の中が低酸素状態になると、速筋に刺激が加わり始めるため、その結果脚が太くなる可能性があるんですね。
これは、「プロが解説!自転車で太もも・ふくらはぎ痩せする4つの方法」で研究データを用いて解説しているので、よかったら参考にご覧ください。
走るテンポが速くなると身体への負担も大きくなるため、テンポが速すぎる場合も脚が太くなってしまうかもしれません。
ランニングのテンポは、
自分が気持ち良く走れるぐらいのペース、テンポでOK
です。
走る頻度が多すぎる
ランニングで脚が太くなるもう1つの原因は、“走る頻度が多すぎる”ということ。
先ほどランニングの着地は、体重の数倍のストレスが身体にかかるとお伝えしました。こういったストレスを毎日受け続けると、脚が太くなる可能性があります。
実際にクライアントさんの脚が太くなっていた原因でしたが、脚やせしたいがために“毎日”ランニングをされていました。
話を聞くと「毎日欠かさずランニングをしています!」と言われて、頻度に問題があると感じ、
週2回の頻度
に下げることで、結果的に脚が細くなったことがあります。
1回で受けるストレスが小さくても、それが毎日積み重なると筋肉が太くなる可能性があり、こういう頻度の問題も脚が太くなる原因と関係があるというわけです。
このように、ランニング=脚やせということではなく、一番大事なことは、
脚やせするような形でランニングをする必要がある
ということです。
ランニングで脚やせするための4つのポイント
ここまでお伝えした内容で、
- 脚やせするための走り方
- 脚が太くなる走り方
などを理解していただきましたが、脚やせするためにはもう少し細かい条件を設定する必要があります。
その条件というのは、
- 走るペース(速さ)
- 1回の時間
- 頻度
などです。それとあわせてシューズも重要になるため合わせて解説します。
①走るペース(速さ)
これは先ほどもお伝えした通り、
気持ち良く走れるペース
でランニングするようにします。
これは2つの理由があり、
- 気持ち良く走ることでリラックスでき、足裏全体で着地しやすくなる
- 息が上がりすぎないペースで走ると脂肪が燃焼しやすい
などです。
気持ち良く走ることで適切な着地ができ脚はしなやかに引き締まっていく。それに合わせて脂肪が燃焼してより脚やせできます。
こういった2つの効果が期待できるので、ランニングをするときは“気持ち良く”という感覚を尺度にペースを決定してみてください。
②1回の時間
ランニングをする1回の時間も、基本的には、
気持ち良い感覚で走り続けられる時間の長さ
でOKです。
疲労困憊まで走ってしまうとフォームも崩れてしまう。しかも続かないと思うので、脚やせもできない。
よく、
20分以上走らないと脂肪が燃焼しない
と言われたりしますが、あれは間違いです。
今何気なく過ごしている時間も常に脂肪は燃焼し続けています。ですので、脂肪燃焼をして脚やせを目指す場合も、気持ち良く走れる時間ランニングをしてもらえればOKですね。
③頻度
ランニングの頻度は、
基本的には週2~3回
を目安に行います。そうすれば脚の筋肉は引き締まり、脚やせ効果は期待できます。
ただ、脂肪燃焼を目的としたり気分転換でランニングをしたい方は、毎日走ってもらって問題ありません。
1つの目安としては週2~3回と思ってもらえればOKですので、ご自身の目的やそのときの体調によって変動させていきます。
④シューズのチェックをする
最後に必ずチェックしてほしいことが、
シューズの変形がないかを確認しておく
ということ。
シューズに変形があった場合、足裏全体で着地ができず、
- 太ももやふくらはぎが太くなったり張る
- O脚やX脚になる
- 膝や足首が痛くなる
などにつながる可能性があります。
シューズの変形がある場合は新品に買い替え、必ず足裏がフラットな状態のものを使うようにしてください。
これはよく見過ごされがちなので、チェックは必須。
ここまでお伝えしたことが適切にできれば、ランニングで十分脚やせすることは可能ですので、ぜひ楽しみながら続けてほしいなと思います。
ランニングで“確実に”脚やせするために知っておきたい3つの方法のまとめ
今回は、ランニングで“確実に”脚やせするために知っておきたい3つの方法などを解説しました。
今回の記事のまとめ
- ランニングでは、脚が太くなることも脚やせすることもある
- それは、走り方や走る環境などによって変わる
- ランニングで脚やせするためには、まず着地・走り方を改善すること
- そして、気持ちいいペースで走り、週2回の頻度で走る
- そうするとランニングで脚やせは可能
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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