骨盤矯正をすれば脚やせできる。そういった情報をよく見ますし、骨盤矯正をするストレッチなどをしている方もいるかもしれません。
こうやって努力されることは本当に素晴らしいことだと思います。ただその一方で、一般的に言われる“骨盤が歪む”“骨盤を矯正する”という意味があまり適切でないことがあるのも事実。
産後の方は特にですが、骨盤周辺を自然な状態に直すと脚やせは可能です。そのために、骨盤に対する適切な知識を習得し、その上で骨盤を整えることが重要だと考えています。
この記事では、
- 骨盤矯正で脚やせする前に知ってほしいこと
- 骨盤矯正をして脚やせする5つの方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説していきます。
今回お伝えする内容を実践すると脚やせはもちろん、開いた骨盤も締まりますし、ぽっこり下腹部も引き締められますのでぜひ参考に実践してみてください。
今回の記事の内容
骨盤矯正で脚やせする前に知ってほしいこと
まず最初に、骨盤の構造についてお伝えします。ここが理解できていないと脚やせできないと言ってもいいほど重要な部分です。
骨盤“矯正”とごく普通に言われるこの言葉ですが、実は骨盤の構造上、矯正することは基本的に難しいんですね。
骨盤そのものは歪まない
女性誌などでもよく見かける“骨盤が歪む”ということ表現ですが、実は、骨盤は歪みづらい構造をしています。
骨盤にある関節は非常に硬く、動きづらいのが特徴
です。骨盤は、以下の画像のような構造をしています。
前後から見た骨盤の状態ですが、 この骨盤は主に2枚の板が重なるように2ヶ所でつながりができています。
恥骨結合や仙腸関節の特徴を簡単にまとめると、以下の通り。
- 恥骨結合=女性が出産するときでもほぼ離れることはない
- 仙腸関節=非常に動きが小さく、以前は動かない関節とまで言われていました
このような特徴からわかることは、骨盤そのものは強い構造になっており自由度が非常に小さいということ。
つまり、
骨盤そのものが歪む、捻じれるということは起こりづらい
ということなんですね。
おそらく、一般の方が骨盤が歪むと表現する身体の状態は、
鏡で自分の骨盤の左右の高さや前後差を見比べると、どちらか一方が高い・低い、前後に出ていると感じたとき
だと思います。
以下のような身体の状態だと、
- 左側の骨盤=上がる
- 右側の骨盤=下がる
というようになっているので、この状態を見て「骨盤が歪んでいる」と判断していると思うんですね。
これは骨盤が歪んでいるのではなく、骨盤の左右の高さが違っている“だけ”であって、根本的な問題は骨盤周辺の筋肉の緊張のバランスが崩れて起こっているだけ。
ですが今回の内容では、わかりやすくするために、
- 骨盤の左右の高さや前後差があること=骨盤の歪み
- 骨盤が左右、前後で差がある状態を直すこと=骨盤矯正
と表現することとします。
ここで1つ疑問が出てきますが、どういう理由でこういった骨盤の歪みが発生するのかということ。
ここが脚が太くなる原因と脚やせするための大きなポイントになるので、ぜひ理解しておきたい内容ですね。
骨盤が歪む理由と下半身太りの関係
もう1度こちらの画像をご覧ください。
この状態であれば、左の骨盤が上がった状態となっていますが、全体的にみると体重が左側に偏っていますよね。
こういった偏った立ち方を日常的にしていると、
左脚に多くのストレスがかかる
ということが起こるため、左脚が太くなる可能性があります。
上記の状態は左右での話ですが、次は前後の問題。これはよくクライアントさんでも見られる立ち方です。
これは骨盤が自然な状態から後傾している状態で、骨盤が後方へ歪んでしまっています。
こういう状態で過ごすと、
- 太ももの前側
- ふくらはぎ
などにストレスがかかり続けるため、骨盤が自然な状態から歪むことで脚が太くなってしまう可能性があります。
詳しい理由は「太ももの前側が太い&パンパンに張り出す原因と細くする3つの手順」や「ふくらはぎの外側が張り出す&太い原因と細くする6つの方法」で解説しています。
このように骨盤が歪んでしまう主な原因は日頃の、
- 座り方
- 立ち方
- 歩き方 など
にあることが多いわけです。
そして、骨盤が歪むことで脚にかかるストレスが増し、
- 筋肉の張り
- むくみ
- 関節の捻れ
などが関与した結果下半身太りが起こってしまう可能性があるんですね。
逆の言い方をすれば、
骨盤を自然な位置に直せば脚へのストレスが軽減し、脚やせできる
というわけです。
産後に骨盤が開く=下半身太りの可能性
さらに産後の方であれば、骨盤が開くことが下半身太りになってしまっている可能性もあります。
出産時など“骨盤が開く”と言われますが、骨盤そのものが真横に開くような動きをイメージしている方も多いと思うんですね。
ただ骨盤の形状からすると、このように真横に動くことはほぼできません。
出産するときなどに骨盤が大きく開きますが、そのときの動きは以下の画像のように、外側に広がるように動くそうです。
黄色い矢印は一方方向を指していますが、本来の動きは骨盤全体が外側に開く・離れるような動きになる。
ですので、本来は外側に開く・離れるような動きのことを骨盤が開くというんですね。
このように骨盤が開くことで、その上に乗っていた内臓が本来の位置から下がってしまう。
そうすると、
内臓がお腹を圧迫してしまい、下半身のむくみがひどくなる
可能性が高くなります。
その結果循環不良が起こり、下半身太りが起こってしまうことも考えられます。
ですので、骨盤が歪んでしまっている方は、
- 骨盤の前後、左右差
- 骨盤の開き
これらを改善することで筋肉の張りやむくみが改善でき、その結果脚やせすることができるというわけです。
では、具体的にどのようなことをすれば骨盤が整えられ、脚やせすることができるのでしょうか?
産後の女性必見!骨盤矯正をして脚やせする5つの方法①:両足均等に体重を乗せる
以下の5つのことをすれば骨盤も自然な状態に直り、脚やせにつながります。
- 両足均等に体重を乗せる
- 骨盤を整えるエクササイズ
- 骨盤周辺のストレッチング
- 骨盤を締めるトレーニング
- 骨盤が歪む姿勢を改善する
それぞれ解説しますね。
まずは両脚に均等に体重を乗せてしゃがみ込みます。これを行うだけでも骨盤の高さなどが整えられます。
手順
- 足を肩幅に開き、つま先も軽く開く
- 体重を足裏全体に乗せておく
- そのまましゃがみ込み、膝とつま先を同じ方向に向ける
- 両足均等に体重が乗っていることを確認する
- その状態で小さく弾む
- 1分間×3セット
このしゃがみ込みをする場合、できるだけリラックスして軽くトンッ、トンッ、トンッと弾むだけでOKです。
そうすると全身の筋肉が緩んできて骨盤の左右差も改善されます。一番のポイントは、
ある意味適当に、リラックスして行うこと
です。
また、上から自分の膝の位置を見たとき、必ず左右で同じ位置にあることを確認して行ってください。
産後の女性必見!骨盤矯正をして脚やせする5つの方法②:骨盤を整えるエクササイズ
続いては、動きの中で骨盤をより整えていきます。
手順
- 脚を肩幅に開く
- つま先と膝を開くと同時に軽くしゃがむ
- このとき、骨盤が開くイメージを頭の中で持つ
- つま先と膝を戻しながら立ち上がる
- このとき、骨盤を軽く締めるイメージで立ちあがる
- これを30回×3セット
骨盤の開閉をイメージしづらい方は、お尻を開く・閉じるというイメージで行っても骨盤は整ってきます。
こういう“イメージ”を活用することでも、骨盤を整えることは可能です。
産後の女性必見!骨盤矯正をして脚やせする5つの方法③:骨盤周辺のストレッチング
以下のような方法で骨盤周辺の筋肉を緩めても整えることができます。
①両膝を左右に倒す
手順
- 仰向けになり、両膝を90度ぐらいに立てる
- 口から息を吐きながら両膝を左右に倒す
- 膝を倒す時はできるだけリラックスして行う
- これを1分間行う
②体側のストレッチング
手順
- 仰向けになり、気をつけの状態になる
- 片脚を外側に開き、もう一方の脚も近づける
- 開いた脚と同じ方向に身体も曲げる
- そして、腕をもあげてカタカタの「ノ」の字ような状態になる
- この姿勢を左右各1分間キープする
③お腹のストレッチング
手順
- うつ伏せになり、一度地面に身体を伏せる
- お腹の横辺りに手をつく
- 腕の力で身体を反らし、お腹の筋肉を伸ばす
- 気持ち良い位置で1分間お腹をストレッチングする
これらはあくまでも一部の方法で、できれば以下の動画でお伝えするストレッチングをすべて行ってみてください。
骨盤の歪みを整えるためには、本来全身の筋肉を緩めることが必要です。
この方法を毎日実践するだけでも骨盤の位置が整い、脚やせにつながりますからね。
産後の女性必見!骨盤矯正をして脚やせする5つの方法④:骨盤を締めるトレーニング
次は骨盤を締めるトレーニングを行いますが、このトレーニングを行う時は、この赤い矢印の方向へ筋肉を締めるイメージでトレーニングを行えばより効果的です。
特に産後の方は、このトレーニングをすることで脚やせにつながるのはもちろん、ぽっこりお腹も引き締められるのでおすすめですね。
骨盤底筋群のトレーニング①
手順
- 仰向けになり、下腹部(骨盤底筋群)に手を沿える
- 両膝を90度ぐらいに立て、片膝を真横に倒す
- おしっこを我慢するようなイメージで片膝を立てる
- 骨盤底筋群に意識を向けながら各20回×3セット行う
骨盤底筋群のトレーニング②
手順
- 仰向けになり、下腹部(骨盤底筋群)に手を沿える
- 両膝を90度ぐらいに立て、左右に開く
- おしっこを我慢するようなイメージで両膝を立てる
- 骨盤底筋群に意識を向けながら20回×3セット行う
骨盤底筋群のトレーニング③
手順
- 仰向けになり、下腹部(骨盤底筋群)に手を沿える
- 片脚を伸ばして90度ぐらいに立て、外側に開く
- おしっこを我慢するようなイメージで、開いた脚を閉じる
- 骨盤底筋群に意識を向けながら各20回×3セット行う
腸腰筋のトレーニング④
骨盤底筋群のトレーニングが終わると、次は骨盤を安定させるために腸腰筋のトレーニングも一緒に行っていきます。
手順
- 仰向けになり、へその左右5cmずつぐらいの位置に手を沿える
- 両膝を90度ぐらいに立てる
- 下腹部に力を入れるように膝を交互に胸に引き寄せる
- 30回×3セット
腸腰筋のトレーニング⑤
手順
- 仰向けになり、へその左右5cmずつぐらいの位置に手を沿える
- 片膝を胸に引き寄せ、もう一方の脚は地面に近い位置で伸ばす
- この状態で、脚を交互に入れ替えるように曲げ伸ばしを繰り返す
- 30回×3セット
こういった方法で骨盤底筋群や腸腰筋をトレーニングすることで、骨盤を締めることができます。
基本的には毎日してもらってOKですが、週2回の頻度を守ってもらうと効果は実感できます。
この方法は、動画でも解説しているのでよければ以下の動画も参考にしてみてください。
もしお腹を引き締めたい方は、「お腹だけ太い原因と細く引っ込める6つの方法」も参考にどうぞ。
産後の女性必見!骨盤矯正をして脚やせする5つの方法⑤:骨盤が歪む姿勢を改善する
上記の4つで骨盤を自然な状態に直した結果脚やせにつながりますが、根本的に骨盤が歪まないようにすることも重要です。
大切なことは、
日常生活で行う姿勢や動作を自然な状態で維持する
ということ。脚やせするために姿勢や動作の改善は必須ですね。
ですので、上記で骨盤を整えた後は、合わせて座り方や立ち方などの改善を行っていきます。改善方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ここまでの一連の流れができることで、脚へのストレスが軽減した結果脚やせしていくので、ぜひ参考に実践してみてください。
骨盤矯正すると脚やせできる
今回は、骨盤矯正をして脚やせする5つの方法を解説しました。
今回の記事のまとめ
- 骨盤はそもそも歪みづらい構造をしている
- 骨盤の左右の高さが違ったりすると、脚へかかるストレスに左右差が出る
- それによって脚が太くなることは考えられる
- 脚やせするためには骨盤の左右を改善し、自然体にすること
- そして、姿勢や動作を改善すれば骨盤矯正をしなくても脚やせは可能
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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