食べてないのに痩せないと感じる方は、もしかすると「食べてないから痩せない」のかもしれません。
以前ダイエットの相談を受けたクライアントさんで、一時的に食事量を増やすことによって適切に痩せた方がいました。
“食べないと痩せない”というのは人間の自然な反応であり、身体のことを理解すれば今の悩みを改善できるかもしれません。
この記事では、
- 食べてないのに痩せない理由
- 食べてないのに痩せない方におすすめしたい方法
- 根本的に痩せるために行なってほしいこと
などを、パーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
今回は、現場で実際にご指導した40代女性の方の例をご紹介していきます。
この方のダイエット例は参考になると思うので、是非できることを取り入れてみてくださいね。では、早速解説します!
今回の記事の内容
食べてないのに痩せない理由
今回のテーマの結論からお伝えすると、
一度食事量をある程度増やし、体重の推移を見ていく
というのが最善策になるはず。
これを理解する上で、そもそもなぜ食べてないのに痩せないのか、という理由を知ることが重要だと思います。
まずは、現場での指導例と合わせてご紹介していきますね。
食事量が減ると基礎代謝が下がる
まず、食べないと痩せない最大の理由は、
食事量の低下とともに基礎代謝が下がる
ということが考えられます。
人間の体は非常にうまくできており、極端な食事制限をした場合、 エネルギー不足だと感知し省エネモードに突入します。
エネルギーが不足しているということは、死に近づくということ。
死なないためにも入ってくるエネルギーが少ない場合、体内にあるエネルギーを少しずつ使っていく。
こういった省エネモードに突入すると、
- 1日の活動量
- 寝ている時のエネルギー消費量
- 日中のエネルギー消費量
などが自然に低下し、食べる量に合わせて1日に消費するエネルギー量を下げるんですね。
つまり、
極端に食べないと、それに合わせた基礎代謝になり、食べてないのに痩せないということが起こる
というわけです。
40代女性のダイエット例
実際に現場でご指導する方の中で、
- 適切な食事量を確保した上で行ったダイエット
- 極端に食事を制限してしまったダイエット
この2つのパターンを実践したクライアントさんがいるんですね。
それぞれの結果としては、前者のダイエット方法で3ヶ月間で-6.3kgのダイエットに成功。
この内容は、以下の記事で詳しく解説しています。
逆に後者のダイエット方法では、1ヶ月たっても思ったように体重が減りませんでした。
この結果の違いは、
食事の量をどのように調節したのかという違い
だと考えています。
以前は食事を摂りながらでもダイエットをする余裕がありましたが、仕事も忙しく精神的に余裕のない中で始まった2回目のダイエット。
非常にストレスも多く思ったように体重が減らず、 焦ってしまって極端な食事制限に走ってしまう。
1日500キロカロリー以下の食事が続いても、食べてないのにも関わらず痩せないということがあったんですね。
このように、
極端な食事制限をすると基礎代謝が下がり痩せない
ということが起こる可能性があります。
ストレスが重なると循環不良で痩せない
おそらく食べてないのに痩せないと感じる方は、精神的なストレスも多いと思います。
ご指導したクライアントさんもストレスが非常に多く、どこか全身がむくんだような膨らんだような状態になっていました。
是非一度ご自身の体をチェックしていただいて、
- 全身のむくみがひどくないか
- 筋肉が硬く体が動かしづらい
- 気だるさがあってあまり気力もわかない
こういった症状を感じていませんか?
こういった症状を感じる理由の一つに、ストレスによる循環不良が考えられます。
具体的な流れを解説すると、
- ストレスが溜まる
- 自律神経が乱れる
- 血管が細くなる
- 血流が悪くなる
- むくみが発生して老廃物が溜まる
- 低体温になり基礎代謝が大幅に下がる
こういった一連の流れが起こる可能性があるんですね。
これらのすべての原因は、主にストレス。
ぜひ覚えておいていただきたいのは、
体内の循環不良が発生すれば食べてないのに痩せないということが起こる可能性がある
ということです。
食べてないから動く気力が湧かない
循環不良によって痩せない理由はなんとなく理解していただけたと思いますが、身体を動かせば筋肉は柔らかくなっていきます。
そうすると停滞していた体重も変動が起こる可能性がありますが、実際に身体を動かそうと思っても、なかなか気力がわかないかもしれません。
これは実際に現場でもあって、
- 過度な食事制限をしている
- エネルギー不足に陥ってる
- 動く気力が湧かなくなる
- 筋肉が張っていても疲れたまま寝てしまう
- 翌日さらに筋肉が硬くなる
- 循環不良がひどく食べてないのに痩せなくなる
こういった悪循環に陥ってしまう可能性があるんですね。
少し話が変わりますが、ダイエットの研究からわかったことで、日頃貧乏ゆすりが癖の場合、
- 適切な食事量を取っている=貧乏ゆすりを無意識のうちに行う
- 食事を過度に制限している=貧乏揺すりをしなくなる
こういった変化が自然に起こるそうです。
こういったちょっと身体を動かす癖がある方の場合、1日に約200~300キロカロリーぐらい消費量が増える。
ただ、極端な食事制限をしている方の場合、防衛反応でエネルギー消費を防ぐために身体の動きを止める。このように、無意識のうちに行動に制限が起こる可能性があります。
今回ご紹介したクライアントさんも、実際にこういった行動量の変化が見られました。
便秘になって不要物も溜め込んでしまう
筋肉が硬く循環が悪くなった場合、関連して腸の働きも悪くなる可能性があります。
その結果、
- 便秘
- ガスが溜まる
などが発生してしまう。
当然出すべきものが体内に溜まっている状態なので、自然と体重も減らず逆に重くなることもあるんですね。
このように、
- 基礎代謝が下がる
- 循環不良が発生して老廃物が溜まる
- 便秘が発生して不要物も溜まる
などが関係した結果、食べてないのにも関わらず痩せないという悩みにつながる可能性があります。
では、こういった悩みを抱えた場合、どのようなことをすれば痩せることができるのでしょうか?
食べてないのに痩せない方におすすめしたい方法①:食事量を増やす
まず行ってほしいことは以下の通り。
- 食事量を増やす
- 全身を擦る
- 全身の筋肉を緩める
- 体をぶらぶら揺らす習慣をつける
それぞれ解説していきますね。
まず行ってほしいのが、
食事量を適度に増やす
ということ。
とはいえ、いきなり「食べましょう!」と言われても、なかなかその勇気って湧きづらいですよね。
ただ、今の食事量であれば痩せないということも理解されたと思います。
ですので、 まず行なってほしいことは以下のようなことです。
1日おにぎり1個分の食事量を増やす
食べてないからこそ痩せない時は、 まず1日おにぎり1個分の食事量を増やしてみてください。
おにぎり1個分だと体重が増えるようなエネルギー量でもないですし、体重が気になる方でも問題ありません。
ここでまずチェックしてほしいことは、
- 食事を増やした後の気力や行動量の変化
- 精神的な上下動の変化
- 日中の眠気
- 体温
などです。
おそらく食事量が少なすぎる方の場合、全ての面において良い影響が出てくるはず。
- 食事を増やした後の気力や行動量の変化 → 気力がわき行動量が増える
- 精神的な上下動の変化 → 精神的に安定する
- 日中の眠気 → 眠気が改善した
- 体温 → 身体が温かくなって体温が上がった など
実際現場でクライアントさんの様子を伺った時も、食事を増やしたことによって上記のような改善がみられました。
不思議なことに、 食べる量を増やしたことで行動量などが増加し、結果的に体重が減ったんですね。
ですので、まず最初に行ってほしいことは“適度に食事量を増やす”ということ。
プロテイン1杯でもOK
炭水化物をとるとイメージ的に太ると感じていて、おにぎりを食べるのに少し抵抗がある方は、プロテインでもOK。
今は様々なプロテインが出ていますが、ある程度エネルギー量があるものを摂るようにします。
女性であれば、
ソイ(大豆)プロテイン
おすすめ。よく店頭などに売っているプロテインは、ホエイといって乳糖でできているものです。
ソイプロテインは、お腹を下しにくく、 余分な脂肪分が少ない上に栄養素も豊富。
健康や美容のためにもおすすめで、こういったソイプロテインを利用することもOKです。
ちなみに、 モデルさんや美容に詳しい方は以下のようなプロテインをよく飲まれています。
このように、 まず不足しすぎているエネルギー量を確保することによって体は変わっていくはずですね。
食べてないのに痩せない方におすすめしたい方法②:全身を擦る
まず最初に食事の調節を行い、それと同時に以下のような方法で全身の筋肉を緩めて、循環の改善を行っていきます。
おそらく食べてないのに痩せないと感じる方は、全身の皮膚や筋肉が硬くなっているはず。
この皮膚や筋肉を緩めて循環改善が行われると、
翌日、体重が1kgガクンと下がる可能性がある
ので、ぜひ実践してみてください。
具体的な方法は、以下の通り。
- 首を擦る
- 胸や脇周辺を擦る
- 肩や腕を擦る
- お腹や腰周りを擦る
- お尻や太ももを擦る
- 膝下を擦る
それぞれ解説します。
①首を擦る
手順
- 首をリラックスさせて正面を向く
- 両手で首を軽く覆う
- 赤ちゃんを優しくなでるように首全体を擦る
- これを1分間行う
②胸や脇周辺を擦る
手順
- 肩周りをリラックスさせる
- 手で胸や脇周辺を軽く擦る
- 赤ちゃんを優しくなでるように1分間行う
③肩や腕を擦る
手順
- 肩周りをリラックスさせる
- 手で肩や腕全体を軽く擦る
- 赤ちゃんを優しくなでるように1分間行う
④お腹や腰周りを擦る
手順
- 骨盤を軽く立てておく
- 両手でお腹や腰周りを軽く擦る
- 赤ちゃんを優しくなでるように1分間行う
⑤お尻や太ももを擦る
手順
- 骨盤を軽く立てておく
- 両手でお尻や太もも全体を擦る
- 赤ちゃんを優しくなでるように1分間行う
⑥膝下を擦る
手順
- 座った状態で両膝を立てる
- ふくらはぎをリラックスさせる
- 左右の膝下を軽く擦る
- 赤ちゃんを優しくなでるように1分間行う
このように皮膚を軽くさすることによって、筋肉が緩んだり循環改善ができます。
そして適度に筋肉が緩んだ状態で、次は気持ちよく体を動かしてさらに筋肉を緩めていきます。
食べてないのに痩せない方におすすめしたい方法③:ストレッチで全身の筋肉を緩める
ここからお伝えする方法は、関節を気持ちよく動かしてポンプの作用によって循環改善する方法。
気持ちよく身体を動かせば筋肉が緩み、滞っていた老廃物や不要物が代謝されていく。その結果、体重変動が起こる可能性があります。
具体的な方法は以下の通り。
①首を左右に倒す
手順
- 首をリラックスさせて正面を向く
- 口から息を吐きながら首を小さく左右に倒す
- これを1分間行う
②肩を軽く上下に動かす
手順
- 肩周りをリラックスさせる
- この状態で、軽く肩をすくめる
- 口から息を吐くと同時に肩を落とす
- これを1分間繰り返す
③身体を小さく左右に倒す
手順
- 脚を肩幅に開いて立つ
- 口から息を吐きながら身体を左右に小さく倒す
- これを1分間行う
④身体を小さく左右に捻る
手順
- 脚を肩幅に開いて立つ
- 両肘を軽く曲げておく
- 口から息を吐きながら身体を小さく左右に捻る
- これを1分間行う
⑤お腹をポンプのように動かす
手順
- まずお腹全体をリラックスさせる
- 鼻から息を軽く吐き、お腹をポンプのように動かす
- これを1分間行う
⑥軽く上下に弾む
手順
- 脚を肩幅に開き、つま先を軽く開く
- 足裏全体に体重を乗せる
- 肩から腕をぶらんと垂らしてリラックスする
- 小さく弾みながら肩を上下に揺らす
- これを1分間繰り返す
⑦軽く上下に弾むながら脇の開閉
手順
- 脚を肩幅に開き、つま先を軽く開く
- 足裏全体に体重を乗せる
- 両肘を曲げ、肩の前辺りに手を置く
- 脇を開くように腕を少し上げ、腕を落とすと同時に小さくしゃがむ
- 脇の開閉に合わせて、小さく弾む
- これを1分間繰り返す
⑧その場ランニング
手順
- 脚を肩幅に開き、つま先を軽く開く
- 足裏全体に体重を乗せる
- その場で小さく弾み、腕はランニング時のように軽く振る
- リラックスさせて腕を振り、全身を気持ち良く動かす
- これを1分間繰り返す
実際に現場で指導する際は、こういった方法からさらに種目を増やして刺激を加えて行きます。
様々な方向に気持ちよくからだを動かすことで全身の筋肉が緩み、その結果循環改善して身体も変わっていきますからね。
- 体が重だるい
- 筋肉が硬い
- むくみがひどい
こういう症状を抱えてる方は、ぜひ毎日の習慣にしてみてください。
食べてないのに痩せない方におすすめしたい方法④:身体をぶらぶら揺らす習慣をつける
そして、さらに習慣づけてほしいことは、身体をぶらぶら揺らすということ。
先ほど貧乏ゆすりで解説したように、1日の中で身体を適度に揺らす・動かすことで消費エネルギーも増やせるんですね。
おにぎり1個分増やすと、体重変動が気になる方もいますよね。その分動けば消費できればプラマイゼロにできます。
また身体をぶらぶら揺らすことで、
- 全身の血流が改善する
- 血流が改善したことで筋肉が緩む
- むくみが改善する
- 循環改善した結果体重が減りやすくなる
こういった変化を生み出すこともできるんですね。
具体的にぶらぶら揺らす方法は以下の通りです。
- 手首をぶらぶら揺らす
- 頭上で腕をぶらぶら揺らす
- 体幹をぶらぶら揺らす
- 脚をぶらぶら揺らす
それぞれご紹介しますね。
①手首をぶらぶら揺らす
手順
- 両肘を曲げて、手首をリラックスさせる
- この状態で、軽く手首をぶらぶら揺らす
- これを1分間行う
②頭上で腕をぶらぶら揺らす
手順
- 頭上に腕を軽く上げ、肩周りをリラックスさせる
- この状態で、軽く手首をぶらぶら揺らす
- これを1分間行う
③体幹をぶらぶら揺らす
手順
- 脚を肩幅に開き、その場に立つ
- 全身をリラックスさせておく
- この状態で、軽く身体をぶらぶら左右に揺らす
- これを1分間行う
④脚をぶらぶら揺らす
手順
- 脚を肩幅に開き、その場に立つ
- 全身をリラックスさせておく
- 片脚を軽く浮かせ、脚全体をぶらぶら交互に揺らす
- これを1分間行う
ここまでお伝えした方法を実践すると、全身の循環が改善され、食べてないのに痩せないという悩みを改善できると思います。
一連の流れを参考に、できるところから是非実践してみてください。
食べてないのに痩せない理由と改善方法のまとめ
今回は、食べてないのに痩せない理由と改善方法について解説しました。
今回の記事のまとめ
- 極端な食事制限をすると基礎代謝が下がる
- 食べた量に対して、同じ消費量になるように省エネ化する
- その結果、食べてないのに痩せないということが起こる可能性
- また、循環不良が起こるとさらに痩せない
- 改善ポイントは、まずはある程度食事量を増やす
- そして全身の筋肉を緩めて、循環を改善する
- この一連の流れができると、身体は変わる
こういった内容をお伝えしました。
今回は内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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