以前、9ヶ月間担当したクライアントさんがいて、その方は合計-16kgのダイエットに成功しました。
この結果を見るとすごいと思うかもしれませんが、実際に行ったことは当たり前に言われているようなことをコツコツ行っただけです。
この記事では、
- 9ヶ月間で行ったダイエット内容
- ダイエットするためのヒント
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕がご紹介します。
今回の記事の内容
ダイエットの成功は今の状態を把握することから
今回ご紹介するクライアントさんのセッション開始時の体型は、
身長150cm、体重62kgからスタートした30代女性
です。太っていたときの柳原可奈子さんぐらいの体型でした。そんなクライアントさんにまず質問をいくつかし、現状を探っていきました。
行った質問が以下の通りになります。
- なぜ太ってしまったのか(原因)
- いつからどのくらい太ってしまったのか
- その時の食生活や生活習慣、生活のリズムはどのようなものだったか
- 運動はしていたか、仕事はどのくらいしていたか
- 現在の血圧、体温の把握
セッションでは、もっと多くの質問をしていますが、大まかに言うと、このような質問をしていきました。そこから見えてきた問題が、このようなことです。
大きな原因に運動不足と賄い
この方の職業は、お寿司屋さんのホールでの仕事。9:00~21:00が基本の勤務時間であり、ほとんど休む時間もないほど忙しくされていました。
そのため、運動するよりも家に帰って寝てまた仕事というサイクルが続き、昼休みや夜もご飯を食べる時間がないほど忙しい。
賄いを食べるペースも早く、だけど内容はお寿司屋さんだけあって豪華でした。賄いの内容がこちら。
- チラシ寿司
- 巻きずし
- だし巻き卵
- 刺身の切れ端
- てんぷら
- 赤だし
※仕事の合間にお菓子や握り寿司をつまむ
このような賄いの内容、食べ方をしているとみるみる体重は増えていき、最終的には62kgになりました。「これではマジでやばい。」と思い、このタイミングで僕にご相談されたそうです。
間食も多く夜の賄いも仕事が終わってから食べることもあり、22時近くなることもあったそうです。
体重だけではなく身体のいたるところに不調が出だした
体重の増加もそうですが、このような食生活をしてしまってからは身体が重くなり、
- 肩こり
- 腰痛
- 膝の痛み
- 疲れやすい
- 身体がだるい
こういった症状が頻繁に出るようになったそうです。食べ過ぎは自律神経のバランスを崩してしまう原因の1つでもあるんですね。
この自律神経のバランスの乱れは、
- 身体の不調
- がんなどの病気
- 代謝を下げ、太りやすくなる
などへとつながり、クライアントさんはまさに太りやすい身体になっている+食べ過ぎ+運動不足が重なった結果、体重が増えていったことが見えてきました。
ダイエット成功を目指し意識と習慣を変える
こういった状態からのスタートを切り、セッションを開始していくことになりましたが、まず取り組んだことは以下のようなことです。
目標設定
まず取り組んだのは、無理のない範囲での目標設定です。この方の場合、
半年で-10kgのダイエット
を目標として設定しました。
1口20回を意識する
目標が設定できると、次に変えていったのは、
食事の中から何を減らすのか、ということではなく、1口食べると20回噛む
ということを意識してもらいました。
噛むことによって満腹中枢が刺激され、より早く満腹を感じる。つまり、食事を減らす意識を持たずして自然と食べる量が“減った”という感覚にできます。
1週間意識してすごすことで、0.9kgのダイエットができました。
1ヶ月で3kgのダイエットに成功
まず目標設定と噛むことを意識してもらうことで、順調に1ヶ月目を終えたので、次に食事の内容を少し変化させていきました。それが以下の食事です。
- お寿司
- おかず
- 刺身数切れ
- 納豆
- サラダ
- 味噌汁
今までの食事は、こうでした。
- チラシ寿司
- 巻きずし
- だし巻き卵
- 刺身の切れ端
- てんぷら
- 赤だし
※仕事の合間にお菓子や握り寿司をつまむ
文字だけでは少しイメージしづらいかもしれませんが、基本的にベースは大きく変えず、和食中心で栄養面も考え、ご飯・主菜・副菜・汁物という形をとりました。
ただこのときの食事は、お寿司を減らし体重の変動を見ていきました。そして、この時期あたりから身体を慣らしながらウォーキング、ジョギングをスタートさせています。
食事について、クライアントさんに繰り返しお伝えしたのは、
ダイエットは食事を極端に減らし、単品にしなくても体重は落ちる
ということ。
この記事をご覧の方にお伝えしたいことは、ダイエットはご飯を食べてもOKということ。むしろ食べないことの方がマイナスになる可能性もあるんですね。
クライアントさんは運動習慣をつけるために、無理のないようなペースからウォーキングをスタートし、これが後に趣味へと変わっていくきっかけとなります。
結果的に1ヶ月目は-3kgという結果となりました。
1ヶ月目のまとめ
1ヶ月目のポイント
- なぜ太ってしまったのかという原因の把握
- 改善点の理解
- 目標設定
- 1口20回噛む習慣作り
- 食事の変化
- ウォーキングやジョギングの開始
これらは1ヶ月の中でも様子をみながら導入し、あまりストレスを感じない範囲で調節をしていきました。
ダイエット2ヶ月目から人間が持つ3つのサイクルを考え導入
1ヶ月目の朝食は、パンやご飯を食べたりしていましたが、2ヶ月目からはフルーツをとっていただくようになりました。
- りんご
- バナナ
- みかん、オレンジ
- キウイフルーツ 等
できれば柑橘系のフルーツを勧めていましたが、そこは強制せず好きなフルーツをとっていただきました。
なぜ、朝食をフルーツに変えたのかというと、
人間には本来3つのサイクルがあり、そのサイクルを意識して生活をすることで、便秘になりづらく、代謝の良い身体に近づくことができるから
です。
この3つのサイクルを適切に回すためには、朝は本来食事を抜く、もしくは新鮮なフルーツであれば機能の邪魔をすることがないため、お腹がすく方は摂ってもいいという考え方です。
この3つのサイクルというのは、
- 4:00~12:00・・・排便の時間
- 12:00~20:00・・・栄養の取り込み(食事)
- 20:00~4:00・・・栄養の分解・吸収
これらです。
このサイクルはダイエットを成功させる上でも重要になるので、じっくり読んでいただければと思います。以下で詳しく解説しますね。
4:00~12:00までは排便の時間
人間の体内は3つのサイクルがあるといわれていて、その1つ目の時間帯が4:00~12:00までの時間。
この時間帯は排便の時間といわれており、3つ目の時間帯で準備された排出物を体外に出す時間といわれています。
ちょっと話が反れますが、満員電車の乗り降りのときを想像してみてください。必ず出る人が先ですよね。
人が降りる前に、乗ってしまうと電車はより詰まってしまう。これと一緒のことが人間の身体でも起こります。
つまり、
4:00~12:00に食べ物が入ってきてしまうと栄養の取り込みがメインとなってしまい、排便がしづらくなる
ということが起こります。
その結果、
- 便秘になる
- おならが臭くなる
- ガスが溜まる
といった不調が現れてしまう。
それを避けるために、朝はフルーツなどの軽食にし、慣れると朝食は抜くというふうにしていきます。だから、クライアントさんは、朝をごはんからフルーツに変えたんですね。
12:00~20:00までに食事を済ませる
2つ目のサイクルである、12:00 ~ 20:00までの時間は栄養の摂り込む時間です。クライアントさんも昼から夜の時間帯にかけて食事をし、上記のような食事を続けました。
20時までに食事を終わらせることは、毎日できませんでした。ただ、できるだけ20時までに終わらせるように職場にも協力していただき、生活のリズムを作っていきました。
そして間食をできるだけ控え、どうしても空腹に耐えられないときはフルーツはOKとし、間食の量と質を変化させていきました。
20:00~4:00までは栄養の分解、摂り込みの時間
3つ目のサイクルは栄養が摂り込まれ、排便の準備をするとされていますので、基本的には食事は摂らないようにしました。
食事の時間が早まり、仕事後の時間が確保できるようになったので、ウォーキングやランニングを増やしていきます。
夜景がきれいなところが近くにあり、そこを見るとリフレッシュにもなったことで、ランニングなどを毎日の習慣化にすることができました。
ストレス解消も兼ねていくこともでき、気分もすっきりすることがわかったため、ここからストレスを抱えることなく自然と運動量が増やせたことにつながりました。
自律神経について
ここまでの期間、クライアントさんは筋トレをしませんでした。
その理由は、
- 仕事でのストレスが多い
- 暴飲暴食が続いていた
自律神経が乱れるときの反応がである、低体温・高血圧も見られたため、あえて負担になりそうな筋トレをしませんでした。
自律神経が乱れると、代謝が下がりますが、ランニングなど気持ちがリフレッシュされることで自律神経が整います。
その結果、代謝が上がる(元に戻る)のではないかと考え、筋トレを指導しなかったんですね。
結果として、ここまでの期間でダイエットはできていたので、そのまま進行させていきました。
短期間で結果を求める場合は筋トレもありだと思いますが、根本的に体質を改善し、ダイエットに成功するためには焦る必要もないと思います。
2ヶ月目のまとめ
2ヶ月目のポイント
- 朝はフルーツ、または食べないということを開始
- そのほかは1ヶ月目の食事内容を継続
- 3つの体内サイクルを考え食生活を変化させた
- ウォーキングやランニング時間を増やした
- 鍛えることはせず筋肉を緩めて代謝の改善を図った
このような変化を出し、2ヶ月目は2.3kgのダイエットに成功し、2ヶ月間で5.3kgのダイエットができました。
ダイエット開始3ヶ月目以降の動き
3ヶ月目以降もそこまで大きく食事や習慣を変えず、微調整をしながら進めていきました。途中であまり停滞することもなく、体重も落ちていきました。
このクライアントさんが素晴らしかったところは、
食事や運動など決めたことを、意識的にやろうと思わなくても自然と楽しみながらできたところ
です。つまり、行動することへのハードルが低く、前向きだったということですね。これってすごい大事なことだと思います。
3ヶ月目以降は、こういった食事に変更していきました。
変更後の食事
- ご飯(白米)1膳
- 主菜(日よって変わるが基本は魚)
- 納豆
- サラダ(生野菜を多めに)
- 味噌汁
読者の方も、この食事で必ずダイエットに成功できる!とまでは言い切れませんが、こういう食事が1つのベースになります。
これを軸として、おかずを変えたり、味噌汁の具材を変えたりとバリエーションをつくり、飽きないように工夫をしました。
結果どうなったか、3ヶ月目以降の体重の推移をみていただきたいと思います。
3ヶ月目 | -2.1kg |
4ヶ月目 | -1.9kg |
5ヶ月目 | -1.7kg ※この時点で目標達成 |
6ヶ月目 | -1.4kg |
7ヶ月目 | -1.5kg |
8ヶ月目 | -1.2kg |
9ヶ月目 | -0.8kg |
合計:-15.9kg |
このような形で体重が減り、半年で10kgのダイエットを目標に掲げていましたが、5ヶ月目でクリアし、9ヶ月間で約16kgのダイエットに成功しました。
3ヶ月目以降につけた変化
主な変化とすれば、食事が固定的になりがちだったので、少し崩してもいいということをお話しました。
それぐらいですかね、3ヶ月目以降の変化は。ランニングもいつも通り継続し、食事を守る。一見特別感のない当たり前のようなことですが、それが本当に大事なことです。
これがこのクライアントさんのダイエット成功例です。期待していたほど特別なことはなかったと思いますし、至ってシンプルな内容だったと思います。
覚えていきたい体重管理の方法について
これを覚えておくと、冷静に毎日体重計に乗れると思います。
体重を管理する場合、以下の方法が正確でわかりやすく、食事による気分の上下動も防げるようになります。その方法がこちらです。
まず、日曜日から土曜日まで、朝一番の体重を記録します。
日曜 | 60kg |
月曜 | 60.2kg |
火曜 | 60.1kg |
水曜 | 59.8kg |
木曜 | 59.5kg |
金曜 | 59.1kg |
土曜 | 60.4kg |
このような1週間の体重の推移だったとします。
1週間の平均体重は、59.9kg
と出ます。
次の週も同じように毎日測り、平均体重を出します。この1週間の平均体重は割と正確に現在の体重を把握でき、1週間の平均体重で増減をみます。
もし増えていると、
金曜日に飲み会あるし、週のはじめは少し食事を減らしておこう。
と準備ができたり、調整できたりしますよね。しかも仮に土曜日の朝、体重計に乗っていつもより増えていても、
昨日飲み会だったからね。ちゅっと様子見て調節しよう!
と気持ちを乱さず、冷静に調整できますよね。そういう意味では、自分の体重を管理するときには1週間単位で見るとより正確に、管理できると思います。
この体重管理方法はわかりやすいので、ぜひ使ってみてください。
ダイエット方法が重要ではなく、個人に合った方法を選択する
ダイエットを成功させるためには、〇〇方法を実践すれば・・・という決まったパターンがあるということではありません。
あくまでもここで紹介している方法は一つの例であり、参考にはしていただきたいと思いますが、読者の方はそれぞれに合ったダイエット方法をみつけていただくことが成功法だと思うんですね。
- 職業
- 私生活
- 趣味
- 食生活 など
さまざまなことを考慮しご自身に合ったこと、ダイエット方法を選択することで、みなさんが望む身体に近づいていくと思います。
非常に矛盾することを書いているかもしれませんが、これが本当のダイエット方法だと考えています。
ダイエットという言葉の意味
嫌というほどこの言葉を聞いていると思いますが、ダイエットいう言葉を改めて理解していただきたいなと思っています。
ダイエット【diet】という言葉は、
食事療法という意味
があり、運動をすることや筋トレをすることも含まれることもありますが、基本の意味としては食事を調節するということです。
ダイエットの意味
- 健康のため、美容のため、肥満の防止(や解消)のため、食事を制限すること
ここからもわかる通り、ダイエット=食事だということを改めて認識していただきたいと思います。
メディアで流れる情報の中には、ストレッチでダイエット、脚やせダイエットはウォーキングで!などとうたい、さまざまな宣伝などがされています。本来は食事のことを指すのがダイエットです。
ダイエット成功例:9ヶ月間で-16kgできた食事方法のまとめ
今回は、9ヶ月間で-16kgのダイエットに成功した例をご紹介しました。
今回の記事のまとめ
- 9ヶ月で16kgのダイエットに成功した理由は生活習慣の変えること
- ダイエットは、なぜ太ってしまったのかなど現状を知ることが重要
- 太ってしまった原因がわかるとそれにアプローチをする
- 人間の身体には3つのサイクルがあり、排便・栄養の取り込み・分解、吸収と分けられる
- 噛むことで満腹中枢が刺激され、自然と食べる量は減る
- ダイエットの基本は消費カロリー>摂取カロリーという関係
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでもダイエットをされている方の参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事へのコメントはありません。